期待される C/2025 A6 レモン彗星(Lemmon)

にわかに注目されてきたC/2025A6 レモン彗星ですが、10月下旬には肉眼等級(5等級程度)に達すると予想されています。
この彗星は、今年(2025年)の1月3日にマウントレモンサーベイ(MLS)によっ発見された長周期彗星(公転周期:約1,155年※)です。
※当初、公転周期は1350年と考えられていましたが、木星の重力によってレモン彗星の軌道エネルギーが一部減少することが分かり、200年ほど短い可能性があります。

彗星の名前(Lemmon)となっているレモン山天文台は、アリゾナ大学スチュワード天文台によって運用されており、口径1.52mのカセグレン式反射望遠鏡と10560×10560ピクセルのカメラによって発見された彗星です。
マウントレモン・サーベイ(MLS)は、地球近傍天体(小惑星や彗星)を継続的に観測しています。
MLSによる発見の大部分は小惑星(これまでに5万個以上)ですが、時折、C/2025 A6のように新たな彗星を発見することもあります。

C/2025 A6 レモン彗星
C/2025 A6 レモン彗星

1月3日に天文学者のデイビッド・フルス氏が初めて撮影した際、MLSがまた別の小惑星を発見したと考えられていたようです。
その小惑星の光度はわずか+21.5等級しかなく、小さな星のような光点にしか見えませんでしたが、その後の画像でこの天体は実際には彗星であることが判明しました。
なお、発見前となる2024年11月の画像でも存在していたことが確認されたようです。

地球に最も近付くのは、日本時間で10月21日午前10時頃と考えられており、地球からの距離はおおよそ8,918万kmとなります。
9月18日現在、C/2025A6 レモン彗星は、やまねこ座とかに座の境界線近くにあり、未明から夜明け前にかけて昇ってきます。
日本では10月15日くらいまで未明から夜明け前にかけて東天で楽しめそうです。
また、10月20日くらいからは宵の西天を注目です。
最も明るくなるのは10月末頃で、そのときの光度は 2.6等級から4.8等級と幅があるので注意が必要です。
光度曲線を見ると、最大光度は10月30日で4.8等級となっています。
蓋を空けてみないと分からないというのも、彗星観測の楽しみです。

C/2025 A6 レモン彗星と地球の位置関係

しんしのつ天文台でレモン彗星の観望会を予定しているようです。
情報が入りましたら随時投稿していきます。

星空日記